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口頭

J-PARC MLF実験制御ソフトウェアフレームワークIROHA2の現状2023

長谷美 宏幸; 稲村 泰弘; 森山 健太郎*

no journal, , 

IROHA2はJ-PARC MLFに設置された中性子実験装置の制御や自動測定を行うためのMLF標準装置制御ソフトウェアフレームワークである。IROHA2は、機器制御を実施するデバイス制御サーバーおよび機器構成や実験装置での測定を管理する装置管理サーバー、自動測定を可能にするシーケンス管理サーバー、実験装置の測定状態やデバイスステータスを統合的に管理する統合制御サーバーから構成される。IROHA2はWebユーザーインターフェイスを有しており、装置スタッフやユーザーはWebブラウザから各サーバーを操作することが可能である。2022年度から2023年度にかけての改善・改良点として、Python3のマイナーバージョンのアップデートおよび非推奨機能の置き換えがある。これまでIROHA2はPython3.6に対応していたが、Python3.6は2021年12月をもってEOLとなった。したがって、これをPython3.9に対応するようにコードの書き換えを実施し、同時に将来的に廃止される非推奨機能の置き換えを実施した。また、新たに追加された機能として、統合制御サーバーにおいてDAQコンポーネントの情報を一覧で表示するパネルを追加した。これにより、統合制御サーバーが配信する静的HTMLにDAQコンポーネントの情報を追加することができるようになり、それらをJLAN外部から監視することが可能になった。現在実施している主な高度化項目としては、測定のリトライ機能の強化がある。DAQミドルウェアで一時的な問題が発生して測定のBegin/Endに失敗する場合があるためIROHA2には測定のリトライ機能があるが、より確実にリトライが成功するようにこの機能を強化している。また、その他にはWeb UIの改良により、操作性の向上や情報の見やすさの向上を図っている。今後は現在開発している実験課題及び持ち込み試料の情報を管理する試料管理システムとの連携機能を追加する予定である。また、装置スタッフなどからの要望を取り入れた新規機能の追加や機能改善、セキュリティ面でのアップデートやバグ修正などを継続的に実施していく。また、現在進めているIROHA2の後継システムについての概要も紹介する予定である。

口頭

大強度パルス中性子と複数種類の検出器を用いた中性子核反応研究

木村 敦

no journal, , 

BL04:ANNRIでは、ユーザーの要望に応えるための装置の改良が着実に進められている。このような新しい装置や測定手法を導入した際には、予期せぬ問題が発生し再測定を行わなくてはならない場合が多く、これを毎年公募が行われる一般課題で行う事は困難である。そこでANNRIでは、施設利用枠の一つであるProject課題用い、新規に開発した装置や解析手法などの実証を行っている。本発表ではProject課題の成果として、新規に開発・導入されたLi-Glass検出器や中性子フィルタなどの実験装置とそれを用いた研究成果について紹介する。

口頭

模擬廃棄物ガラスの表層と内部のセリウム原子価評価

永井 崇之; 前田 裕太; 勝岡 菜々子; 岡本 芳浩; 馬場 祐治*; 秋山 大輔*

no journal, , 

ガラス固化体の基本組成であるホウケイ酸ガラスを対象に、組成や溶融条件によるガラス構成元素の化学状態への影響を評価する研究を進めている。本研究は、組成や溶融条件によってCe原子価が変化することに着目し、凝固ガラス表層とガラス内部(破断面)のCe原子価状態の差異を確認するため、模擬廃棄物ガラスの放射光XAFS測定により評価した。評価の結果、ホウケイ酸ガラスに含まれるCe原子価は、組成や溶融条件等によって凝固ガラス表層とガラス内部で異なる可能性が高いと推察された。

口頭

尿素分子の真空紫外光電子分光実験

長弘 陽*; 藤田 泰生*; 宮崎 康典; 足立 純一*; 星野 正光*

no journal, , 

近年、高エネルギーの電離放射線による細胞損傷機構を原子分子レベルで解明する試みが行われている。その1つとして生体構成分子に対する電離放射線の直接エネルギー付与があり、二次電子を生成する電離過程や放出電子の衝突過程など、電子・分子が対象となる後続過程が注目されている。本研究では、腎臓で生成される生体分子の1つ、尿素を標的とした高分解能真空紫外光電子分光実験を行い、高精度量子化学計算による電離エネルギーの見積りと帰属を行った。

口頭

ハロゲン化ウラシル表面状態の第一原理電子状態計算

関川 卓也; 甲斐 健師; 小沼 草太*; 芳賀 芳範; 横谷 明徳*

no journal, , 

ウラシルはリボ核酸(RNA)を構成する塩基の一種である。RNAは生物の遺伝情報を担うデオキシリボ核酸(DNA)から遺伝情報を写し取り、タンパク質合成を行うリボソームまで情報を運ぶ役割を担う。これまで、ウラシルの一部に臭素が置換した臭化ウラシルに対する放射線影響増感効果が期待されてきた。本研究では、ウラシルの一部をハロゲンに置換した効果を調べるため、第一原理計算ソフトウェアOpenMXを用いた。ウラシルの一部をフッ素、臭素で置換した分子を標的として計算した結果、フッ素、臭素の順にハロゲン化ウラシル中の電子が電離しやすいことがわかった。本研究成果は、放射線治療における放射線増感剤の開発に貢献することが期待できる。

口頭

J-PARC PLANETでの高圧中性子回折実験のための見込み幅0.5mmラジアルコリメータの開発

服部 高典; 鈴木 浩二*; 三代 達也*; 伊藤 崇芳*; 町田 真一*

no journal, , 

見込み幅0.5mmのラジアルコリメータを高圧中性子回折実験用に特別に設計し、その性能と有効性を調べた。0.75mm, 1.5mm, 3.0mmのラジアルコリメータはそれぞれ0.50mm, 1.07mm, 2.78mmのみこみ幅を示した。3つのラジアルコリメータの透過率はすべて同等であった。Paris-Edinburgh(PE)プレスとdiamond anvil cell (DAC)を使用した評価では、見込み幅0.5mmラジアルコリメータを使用した場合、アンビル散乱はかなり減少し、サンプル/アンビル信号比はPEプレスとDACでそれぞれ0.5と2.0に達した。これらの結果は、見込み幅0.5mmラジアルコリメータが意図したとおりに製作され、高圧中性子回折実験(特に30GPaを超える実験)に有効であることを示している。今回作成されたラジアルコリメータの見込み幅は、これまで世界の中性子散乱実験用に製作されたものの中で、最も小さい見込み幅を持つものである。

口頭

1GPaまでの準弾性中性子散乱実験のためのハイブリッドピストンシリンダーセルの開発

服部 高典; 河村 聖子; 川崎 卓郎

no journal, , 

約1GPaまでの準弾性中性子散乱実験(QENS)のためのハイブリッドピストンシリンダーセルを開発した。このセルは、高張力鋼(SNCM439)のライナーとAl合金(NA700)のジャケットで構成される押し嵌めシリンダーからなる。性能試験の結果、0.8GPaの圧力に耐えることができ、3.14meV(波長5.10${AA}$)の中性子透過率が従来のCuBeモノブロックシリンダーの4.4倍であることが確認された。多重散乱を抑制するために考案したサンプルアセンブリと組み合わせることで、0.8GPaまでの水の高品質なQENSスペクトルを得ることができた。本研究は、ハイブリッドシリンダーが最大発生圧力を増大させるためだけでなく、発生圧力や信号強度を実験の目的に応じて調整するのに有効であることを示している。

口頭

非弾性非干渉性中性子散乱による21GPaまでのZrH$$_{1.8}$$とTiH$$_{1.84}$$の水素振動励起

服部 高典; 中村 充孝; 飯田 一樹*; 町田 晃彦*; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 有馬 寛*; 大下 英敏*; 池田 一貴*; 大友 季哉*

no journal, , 

量子調和振動子(QHO)で近似できる蛍石型のZrH$$_{1.8}$$とTiH$$_{1.84}$$の水素の振動励起を非弾性非干渉性中性子散乱によって21GPaおよび4GPaまで調べた。第一励起の振動エネルギー$$E_1$$はそれぞれ$$E_1$$(meV) = 141.4(2) + 1.02(2)$$P$$(GPa)および$$E_1$$(meV) = 149.4(1) + 1.21(8)$$P$$(GPa)で表され、圧力とともに上昇した。格子定数の圧力変化と組み合わせて得られた金属水素原子間距離($$d_{M-H}$$)と$$E_1$$の関係は、$$E_1$$(meV) = 1.62(9)$$times$$ 10$$^3$$ $$d_{M-H}^{-3.31(8)}$$($AA)$および$$E_1$$(meV) = 1.47(21)$$times$$ 10$$^3$$ $$d_{M-H}^{-3.5(2)}$$($AA)$であった。これらのカーブの傾きは、様々な蛍石型の金属水素化物の常圧下のトレンドに比べ、急峻であった。$$E_1$$から得られた水素波動関数の広がりは、格子間サイトよりも縮み易いことが分かった。高圧下における水素の波動関数の優先的な収縮や小さな$$d_{M-H}$$における$$E_1$$の急峻な立ち上がりは金属原子のイオンコアが水素原子よりも堅いために水素原子が高圧下でより狭い領域に閉じ込められるために起こると考えられる。

口頭

パリ・エジンバラプレスを用いた中性子回折実験における圧力媒体の実際の影響

服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 大内 啓一*; 吉良 弘*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*

no journal, , 

パリエジンバラプレスを用いた中性子回折実験における圧力伝達媒体の実際的な影響を調べるために、種々の圧力媒体(Pb、AgCl、常温および高温の4:1メタノールエタノール混合液(ME)、N$$_2$$、Ar)を用いてMgOの回折パターンを約20GPaまで測定した。MgO220回折線の線幅から見積もった試料室内の静水圧性は、Pb、AgCl、Ar、室温ME混合液、N$$_2$$、高温MEの順に良くなる。これは、これまでのダイヤモンドアンビルセルを用いた結果と異なり、高圧下で固化した後も常温MEはArより高い性能を示す(パリエジンバラプレスで用いられたアンビルの窪みの効果と思われる)。これらの結果とより高い性能が期待されるNeが強い寄生散乱をだしてしまうこととを考えると、約20GPaまでの中性子実験においては、ME混合液(できれば高温が良い)が最良の圧力媒体であり、アルコールと反応する試料には液体Arで代替するのが良いことが明らかとなった。

口頭

ホウ素塗布型ストロー検出器の特性

坂佐井 馨; 中村 龍也; 藤 健太郎

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中性子散乱実験用中性子検出器としてこれまでの位置敏感型$$^{3}$$He検出器にとって代わる検出器としてホウ素塗布型検出器が注目されている。その中でも以前から$$^{3}$$He代替検出器として開発されてきたものにストロー型検出器がある。これは米国Proportional Technology社によって開発されたもので、ESSではLOKIという中性子小角散乱実験装置に採用される予定である。一方、J-PARC物質生命科学実験施設でもその共用ビームラインの新たな中性子検出器の1つとしてホウ素塗布型検出器を検討している。今回、ホウ素塗布型ストロー検出器の検出特性についてCf線源やMLFのビームライン等を用いて測定すると共に、PHITSによるシミュレーション計算を行ったので報告する。

口頭

単結晶中性子回折計SENJU用の大面積2次元シンチレータ中性子検出器

中村 龍也; 藤 健太郎; 坂佐井 馨; 細谷 孝明; 鬼柳 亮嗣; 大原 高志

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J-PARC MLF中性子基盤セクションではMLFに設置された中性子散乱装置のための位置敏感型中性子検出器の高度化を進めている。特にBL18単結晶中性子回折装置には、我々が独自に開発し2012年に設置したシンチレータと波長シフトファイバーを用いた2次元中性子検出器が41台装填されており、これらの高度化、更新を継続的に進めている。これまでにオリジナル検出器と同様の検出面積(25.6$$times$$25.6cm)、ピクセルサイズ(4$$times$$4mm)をもつ設計において、検出効率の改善や、軽量・コンパクト化した検出器を開発し、合計10台の増設、交換を実施した。近年では、より効率的なデータ収集のため検出器の大面積化を進めているところであり、昨年度にはオリジナル検出器の4倍(2$$times$$2サイズ、51.2$$times$$51.2cm)の検出面をもつ検出器を実現した。この検出器は真空散乱槽下に設置され、実機として良好に稼働中である。現在は、これらの結果を基として、さらなる大面積化、検出器端部の不感領域の低減を進めており、装置要求に合致した縦長形状をもつ1$$times$$3倍サイズ(25.6$$times$$76.8cm)、2$$times$$3倍サイズ(51.2$$times$$76.8cm)の検出器を開発中である。本発表ではこれらの大面積検出器の開発状況を報告する。

口頭

2023年度のMLF放射線安全チームの活動

原田 正英; 橋本 典道*; 奥 隆之; 相澤 一也; 石角 元志*; 細谷 倫紀*; 清水 勝美*; 海老原 敦*

no journal, , 

MLF放射線安全チームは、主に、課題申請時の放射線安全審査を始めとして、ユーザー実験の放射線安全の管理と担保及び実験ホールでの放射線管理の支援を行っている。非管理区域への汚染拡大防止及び実験の自由度の拡大のために、2016年11月より、第1種管理区域表面汚染低減区域を運用している。申請課題の安全審査においては、実験が法令の範囲内であるの確認や作業者の被ばくの可能性の示唆など、放射線安全を担保している。放射線管理セクションと調整し、実験室内の汚染検査も担当している。試料や機材の放射化の程度や核種同定を行うために、固定式及び可搬式のGe検出器を用いて、ガンマ線を測定している。機材の放射化は、Co-60(T1/2=5.271y)の成分が多く検出されており、これは、ステンレス材やガイド管などに含まれているCo-59による放射化であることが推測されている。試料の放射化計算コードを整備し、試料の放射化量の推定に活用されている。当日ポスターでは、2023年度の放射線安全チームの活動報告を行うとともに、詳しい運用や設備の現状と今後の予定を報告し、ユーザーからの相談を受け付ける。

口頭

水素含有物質の断面積測定

原田 正英; 安部 豊*; 及川 健一; 土川 雄介; 河村 聖子; 稲村 泰弘; 勅使河原 誠; 大井 元貴; 山口 雄司; 池田 裕二郎*

no journal, , 

大型中性子源や小型中性子源で使用されている減速材は、水素の高い減速特性から、水素含有物質を用いることが多い。冷熱中性子性能を決める全断面積や散乱断面積を含む散乱特性は、減速材選択の重要なデータである。しかしながら、これまで広く一般に使われてきたデータには、測定時期が古いものがあることや、測定方法もまちまちであることから、不確定性が存在する。そこで我々は、次世代中性子源開発に向け、2018年度より、J-PARCセンターの物質生命科学実験施設の中性子実験装置にて、系統的な水素含有物質の断面積測定を開始した。測定では、全断面積の測定はNOBORUで、散乱断面積の測定はAMATERASでそれぞれ行った。試料はアルミニウム製セルに封入し、試料の温度は、20、100、200、300K及び融点付近の温度点とした。全断面積の測定は、飛行時間法を用い、試料毎にエネルギー依存の中性子透過率を測定し、全断面積に変換した。散乱断面積は、チョッパーで複数のエネルギーにチョッピングし、散乱強度を測定することで、散乱断面積に変換した。今回の発表では、水素含有物質として、2022年度からチャレンジしている水素及びメタンの測定とその結果について、報告する。

口頭

MLF-中性子源の性能向上を目指して

原田 正英; 直江 崇

no journal, , 

J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)の核破砕中性子源は、3GeV、1MWの陽子ビームを水銀標的に入射させて核破砕反応により生成される中性子を、減速材・反射体などにより利用しやすいエネルギーまで減速して、中性子実験装置に供給して様々な実験に活用する施設である。これらは、第1ターゲットステーション(TS1)とされ、2008年より運転を開始し、2023年6月現在、900kW以上程度で共用運転を行っている。また、将来計画の一環として、MLF第2ターゲットステーション(TS2)の検討を進めている。この現状・将来計画を踏まえ、中性子源の性能向上として、TS1におけるターゲットの1.5MW相当パルスの受け入れと減速材・反射体の性能向上は課題となっている。1.5MW相当パルスは、TS2との併用時に必要となるだけでなく、TS1自身の強度増につながるため、キャビテーション損傷や照射損傷の観点から現状と開発状況を整理し、受け入れられる可能性を議論する必要がある。減速材・反射体では、強度増加を目指し、中性子吸収材の変更やポイズン型減速材形状変更など検討をすすめており、早ければ2025年度から準備製作する4号機へと反映することを考えている。本発表では、MLFロードマップ検討の一つとして、TS1の性能向上を目指した、1.5MW相当パルスの受け入れと減速材・反射体の性能向上に関して、検討・開発状況を報告する。

口頭

$$^{182}$$Taのガンマ線部分幅を用いた複合核の統計性の研究

河村 しほり*; 遠藤 駿典; 岩本 修; 岩本 信之; 木村 敦; 北口 雅暁*; 中村 詔司; 奥平 琢也*; Rovira Leveroni, G.; 清水 裕彦*; et al.

no journal, , 

中性子と原子核との反応で生成される複合核は非常に複雑な高励起状態であり、1つ1つの反応を記述することが困難であるため1つの複雑な系として統計的に扱うことで説明されるようになった。最も一般的な統計模型であるランダム行列理論のガウス直交アンサンブル(The Gaussian orthogonal ensemble; GOE)では、複合核反応における中性子幅やガンマ線部分幅のような単一チャネルプロセスにおける幅は、自由度1のカイ二乗分布であるPorter-Thomas分布に従う。中性子幅の度数分布がPorter-Thomas分布に従うのか実験的に確かめられた例は数多くある一方、ガンマ線部分幅に関しては高エネルギーガンマ線の高い測定精度の要求が起因し測定された核種は少ない。したがって多くの核種についてガンマ線部分幅の度数分布に現れる統計性を調査することとした。過去に測定された核種の内、$$^{182}$$Taに関してはガンマ線部分幅を導出した先行研究が1970年代に2つあるが、互いの結果は一致しておらず、かつ自由度が1から乖離した結果が得られている。本研究では$$^{181}$$Ta(n,$$gamma$$)$$^{182}$$Ta反応測定をJ-PARC MLF ANNRI (BL04)にて行い、高統計かつ高分解能で測定した$$^{182}$$Ta由来のガンマ線を用いてガンマ線部分幅の分布を導出した。また、分布の導出に重要である共鳴の全角運動量$$J$$を測定により決定し、その結果を用いて分布の導出を行った。得られた分布は自由度が1ではなく2のカイ二乗分布に近くなり、先行研究の結果とも一致しなかった。その原因として解析に使用している共鳴やガンマ線数が十分でない可能性や、共鳴やガンマ線に他の共鳴やガンマ線が重なっている可能性について考えた。さらに精度の良いガンマ線測定と分布の導出を行うためには測定体系のアップグレードが必要であると考え、そのための改善点を議論した。

口頭

中性子捕獲反応における空間反転対称性の破れ測定

Snow, W. M.*; Auton, C.*; 遠藤 駿典; 藤岡 宏之*; 井出 郁央*; 猪野 隆*; 後藤 優*; 河村 しほり*; 北口 雅暁*; 小林 龍珠*; et al.

no journal, , 

本研究では(n,$$gamma$$)チャネルを通るparity-oddな断面積を測定する技術を使用して、いくつかの重い原子核における新しいp波共鳴を探索することを目指している。これらのいずれかの原子核において、大きなparity violationが発見されれば、NOPTREX collaborationによる偏極中性子-偏極原子核の透過測定 における時間反転対称性の破れ探索計画の新たな候補となる可能性がある。この情報は、重い原子核におけるparity oddな混合に関する既存の理論をテストするのにも役立つ。本研究では質量数が$$140<A<180$$の核のうちスピンがゼロでない約15個の原子核において新しいp波共鳴、並びにparity violationの存在を探すことを目的としている。近年J-PARCにおいて開発された偏極中性子生成デバイス、Heスピンフィルタを用いた高い偏極率を持つ中性子、及びMLF・BL04のGe検出器群を用い、高感度なparity violationの探索が可能となっている。本年は測定のテストとして、すでに大きなparity violationの存在が知られているLa-139の0.75eV共鳴での測定を行い、先行研究と一致する10%程度の有意なparity violationを得た。さらに目的とする$$140<A<180$$のうちの一部の原子核の中性子捕獲反応の測定を行なったとともに、2024年3月にはこれら核のparity violationの最初の測定を予定している。本発表ではNOPTREXをはじめとしたプロジェクトの概要、並びに最新の成果と今後の展望について発表する。

口頭

日本刀の微小領域回折試験,2

及川 健一; 土川 雄介; 大下 英敏*; 本田 孝志*; 川崎 卓郎; Harjo, S.

no journal, , 

MLFのRADENやTAKUMIでは、中性子を用いる非破壊日本刀研究グループにより、これまでCT、ブラッグエッジイメージングや回折実験を行ってきた。塩田らはブラッグエッジイメージング実験により、ある古刀の切先に近い部位においてボイドらしきものを捉えた。松本らはCTにより、この古刀のボイドが造り込みの鍛接部の痕跡を示すと考えられる解析結果を得た。我々はRietveld解析により、そのボイド領域近傍の詳細な構造情報を得ることを目的として、2023年度より微小領域回折試験をNOBORUにて開始したが、90$$^{circ}$$回折データにおいて試料依存のブロードなピークの存在が確認された(図の90$$^{circ}$$垂直配置)。鉄鋼試料をNOVAで広角スキャンしたところ、かなり広いQ空間に該当ピークが広がっていることが確認された。そこでこれをRietveld解析時にバックグラウンドとして処理できるようNOBORUの90$$^{circ}$$回折の検出器配置を変更するテスト実験(図の90$$^{circ}$$水平配置)を行ったので、それを紹介する。

口頭

量子臨界点における磁気相転移の観測とその超伝導相関

髭本 亘; 伊藤 孝; 横山 淳*

no journal, , 

2つの相互作用が拮抗した電子系において、その基底状態は圧力や元素置換など温度以外のパラメータを変えることで制御が可能な場合がある。このような絶対零度で生じる相転移は量子揺らぎが重要な役割を果たしている。重い電子系などの強相関電子系物質で見られる超伝導ではこのような量子揺らぎ、特に磁気揺らぎが重要な役割を担うものと考えられるが、超伝導状態で微弱な磁性を調べる必要があることなどからスピン状態の直接的な観測は極めて困難である。ミュオンスピン回転緩和($$mu$$SR)法は微弱な磁気的状態をゼロ磁場で捉えることが出来るため、超伝導に埋もれた磁性を研究できる有力な手法である。我々はJ-PARC-MLFのミュオン実験施設において、$$mu$$SR法を用いて重い電子系CeCo(In$$_{1-x}$$Zn$$_x$$)$$_5$$の超伝導状態の磁気的状態を調べた。その結果Zn置換量3%程度以上で超伝導状態において磁気秩序が置換量に対して2次転移的に発達する様子が観測され、そのZn濃度近傍に量子臨界点にあることが示唆された。さらにその転移点に向かって超伝導磁場侵入長の増大が見られた。これらの結果は超伝導電子対の形成に磁性が強く影響していることを示している。

口頭

SRAMの放射線応答予測手法の検討

竹内 浩造*; 安部 晋一郎

no journal, , 

近年、微細かつ高性能な民生半導体デバイスの宇宙機での利用が検討されている。これまで宇宙機に使われる半導体デバイスにおけるシングルイベント反転(SEU)の発生頻度等は加速器等での実験により評価されてきたが、多種多様な民生半導体デバイスの評価にはシミュレーションでの効率的な評価が欠かせない。本発表では、放射線挙動計算と半導体デバイスシミュレーションを組み合わせた予測の検討を行った結果について報告する。

口頭

土壌粘土鉱物の熱電物性発現メカニズム解明へむけた高温環境下XAFS分析手法の開発

早川 虹雪; 馬酔木 ゆめの*; 村口 正和*; 小島 洋一郎*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 本田 充紀

no journal, , 

高温領域での新規熱電材料として土壌粘土鉱物が期待されているが、その熱電発現メカニズムは未解明である。我々は土壌粘土鉱物の一つである風化黒雲母(WB)に着目をして、そのメカニズム解明に取り組んでいる。WBはSi, Fe, Al, Mg, Kなどの元素で構成される。高温環境下ではWBの構造が変化することが赤外吸収分光法によるその場観察により分かっている。しかし詳しい構造の同定には至っていない。そこで本研究では、WBが熱電物性を発現する高温環境下で放射光XAFS分析を可能にする手法の開発に取り組み、室温から873Kまでのデータを取得することに成功した。

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